別巻３：「お七とお嶋」を歩く - 江戸東京下町文化研究会

	ほしひかる著ほしひかる氏プロフィールエッセイスト、江戸ソバリエ認定委員長 (江戸ソバリエ協会副理事長) 著書・共著に「江戸蕎麦めぐり」（幹書房）、『新・神奈川のうまい蕎麦６４選』（幹書房）、『埼玉のうまい蕎麦７５選』（幹書房）、『静岡・山梨のうまい蕎麦８３選』（幹書房）、『休日の蕎麦と温泉巡り』（幹書房）、『至福の蕎麦屋』（ブックマン）など。他に、「解体新ショー」（NHK-TV)、「江戸のススメ」（ＢＳ－ＴＢＳテレビ）、「幸福の一皿」（ＢＳ朝日テレビ）、「コレスタン」(日本テレビ）、「シルシルミシル」（テレビ朝日）などや各講演会に出演。ネットでは江戸ソバリエ協会、江戸東京下町文化研究会、フードボイスなどに発信中。これまでの活動により、各関係団体より感謝状を授与される。

別巻３：「お七とお嶋」を歩く　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【絵：川俣静 (江戸ソバリエ)】

◎八百屋お七の生家
諸説あって明確ではない。(1)森川町にあった八百屋説、(2)願行寺(文京区向丘2-1-5)の通りの向かいにあったとの説、(3)本郷1丁目エチソウビル辺りにあったとする説、(4)駒込片町(本郷追分)の八百屋説。またお七養子説もある。

◎延命院の七面堂
母親が願掛けして生まれたすら「お七」と名付けられたという。
東京都荒川区西日暮里3-10-1 (山手･京浜東北線日暮里駅より)

◎圓乗寺
大火事の火元とされる。
東京都文京区白山1-34-6 (三田線「白山」駅より)

◎大圓寺
お七一家の避難先。今はお七の墓やお七稲荷がある。
東京都文京区向丘1-11-3 (三田線「白山」駅より)

◎鈴ケ森刑場
品川区南大井の東海道沿いにあった刑場、江戸時代には日光街道沿いにあった小塚原刑襄場と甲州街道沿いに設置されていた大和田刑場とともに三大刑場といわれた。

◎長妙寺お七の墓
お七は罪人であるため基本的には墓はない。ただ、お七養子説では八千代市実家のお寺に墓があると伝えられている。改名を「妙栄信女」という。
千葉県八千代市萱田町640 (京成線大和田駅より)

◎長壽寺お七供養塔
親の故郷である七尾市のお寺には「南無妙法蓮華経」と書かれた供養塔がある。高さ216cm、幅60cmもある大きなもので、左横には母親の法名で「願主　宝春比丘尼」と刻銘されている。画聖長谷川等伯ゆかりの寺でもある。
石川県七尾市小島町リ-137 (七尾線七尾駅より)

◎明王院
お七の恋人左門、後の西運ゆかりの寺。場所は大円寺(目黒区下目黒1-8-56)下、目黒雅叙園内。明治初めに廃寺となって今はない。
なお、1772年の行人坂火事は、この大円寺が火元といわれている。同寺から出た火は、折からの強風により、たちまち白金から神田、湯島、下谷、浅草までを焼き尽くす大火となった。お七と左門はよほど火と因縁が深いのだろう。

◎水戸上屋敷
初代頼房が開いた。現在の中央大学工学部、ドーム、遊園地一帯の約25.3万平方メートル。今の後楽園庭園は、上屋敷時代の内苑と外苑。
(丸の内線後楽園駅より)

◎小石川傳通院
徳川将軍家の菩提寺。
東京都文京区小石川3-14-6 (丸の内線後楽園駅より)

◎昌林院
傳通院の塔中として、当時の小石川表町27番地に在ったが、東京大空襲で焼失後廃寺。今の春日通りの交差点から入って直ぐの左側にあった。
東京都文京区小石川3 (丸の内線後楽園駅より)

◎牛天神(北野神社)
1184年に源頼朝が社殿を造営したという。
東京都文京区春日1-5-2 (丸の内線後楽園駅より)

◎堀内道場
堀内源左衛門正春(1641-1713)が牛天神下(春日1丁目辺り？)に開いていた直心影流の剣術道場。赤穂藩の奥田孫太夫重盛(1647-1703)、堀部安兵衛武庸(1670-1703)、間重次郎光興(1678-1703)も門弟だった。
(丸の内線後楽園駅より)

◎祐天寺
ここは祐天上人の弟子祐海が建てた寺である。境内には「累塚」や巨大な絵馬がある。歌舞伎「累物語」上演に際して建てられたという。また祐天寺の絵馬は雲に乗った祐天上人の姿である。
東京都目黒区中目黒5-24-53 (東急東横線祐天寺駅より)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　【祐天上人を描いた祐天寺の絵馬】

◎澤蔵司稲荷の別当慈眼院
通称「お蕎麦の稲荷」
東京都文京区小石川3-17-12 (丸の内線後楽園駅より)

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〔完〕

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Ⅱ-4.後記

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