Profile

部 一 二
(わたべかつじ)
学び舎江戸東京ユネスコクラブ会長。
多摩美術大学名誉教授 ・ 農学博士
玉川上水を世界遺産に登録をして、
江戸の水文化を継承し将来に受け渡したい!



東京は私の研究対象の中でも、玉川上水系水路網に見られるように
最大規模の通水システムを持った水路のある都市です。それだけに、
東京の都市計画は、川の力を最大限に借りることだと思います。
その実現のために、是非皆様がたのお力を貸してください


                                                      

1938年小樽市生まれ。日本大学理工学部卒業。東京芸術大学美術学部大学院修了。
小河川、水路を生かした都市づくりに取り組み、岐阜県郡上八幡で「水のある街づくり」を提案。以後、その成果を全国の街づくりに広げ、市民とともに活動している。
いま抱いているテーマが、江戸から今、東京大発展の母である玉川上水の世界遺産登録運動と失われた江戸の水辺の生活と豊かな文化を取り戻す「江戸・東京の川、体感型博物館構想」。著書に「生きている水路」、「水路空間の計画・デザイン」、「水路の用と美」
「江戸の川・復活」「武蔵野水路」・玉川上水とその分水路など多数。



















第17回 設立10周年記念 学び舎ユネスコ 教養・文化講座

2023年6月11日(日)14:00~15:30  場所:小平中央公民館

「わがまちの宝もの 小平分水路網は生きている 9分水全長50㎞」と題して、
とうきゅう環境財団の助成研究「小平用水路網の調査報告」を中心に「母なる川」玉川上水とその分水網関連遺構の話。そして、2018年春から1年かけて、小平市内の小川分水、新堀用水などを実地調査した成果報告を行いました。

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三百数十年 世田谷の分水嶺を流れた品川用水

長年、世田谷に清流を流し続けた用水は戦後の市街地の拡大でそのほとんどは残念ながら往時の面影をとどめる水路空間の姿は見られなくなりました。

    その用水に感謝の意を留め、後世に伝える事が私達に課せられた責務だと思います。


寛文二年(1662)細川越中守が戸越、蛇窪両村の屋敷の庭園遊水地として引水(戸越上水)

寛文六年細川家はこの戸越上水を廃止。寛文七年、品川領宿村の人々が幕府に早損御救いのため用水として使用を願いいで許可され、品川用水として歴史がはじまる。

品川用水は、旧北多摩郡堺村水吐(/武蔵野市堺町3丁目)で玉川上水から分水。世田谷の烏山に入り、粕谷、廻沢、船橋、桜、桜丘を西から東に流下。野沢、下馬を通過し目黒区に入り、次いで品川の旧11ヶ村の水田灌漑を主目的に活用された。全長は約7里(28㎞・品川区役所前)に及ぶ。


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第16回 学び舎ユネスコ 教養・文化講座

南太平洋の親日国ミクロネシア

講師 鈴木栄一氏 (元駐ミクロネシア大使)


202029()13:30より  場所:小平中央公民館視聴覚室

  

 戦時中は本に、戦後はアメリカに長らく統治されたミクロネシアがどのようにして親日国となったのか、 日本にとってミクロネシアはどうして大切なのか、そこにおける現地駐在大使の役割など、当事者であった元ミクロネシア大使の鈴木栄一氏から学びます。


鈴木栄一氏 (元駐ミクロネシア大使〉  

外務省入省後、在外では、アジア地域及びワシントンD.C.サンフランシスコの北米地域で勤務、外務本省では国連局、北米局、経済協力局を中心に勤務、テンパサール総領事インドネシア・バリ島ミクロネシア兼マーシャル諸島特命全権大使を歴任。


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第三回 「三鷹の玉川上水の分水網の研究」活動報告

日時:11月9日(土)午後1時30分~4時30分
場所:三鷹市「新川・中原コミュニテイセンター」2階会議室
申込:入場無料、先着50名、当日会場にて
問い合せ:知見(ちけん)さん 090-9013-4309

主催:三鷹の玉川上水の分水網研究会
後援:玉川上水ネット 神田川ネットワーク
   (水縁空間デザイン研究所)

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第15回 学び舎ユネスコ教養・文化講座

・2019年6月9日(日) 小平市小川公民館

「わがまち再発見」小平フィールドミュージアム構想
~ 街全体を野外博物館にする提言! ~

講師:渡部一二氏(多摩美術大学名誉教授・学び舎江戸東京ユネスコクラブ会長)
   及び水と緑・環境委員会 分水路網研究グループ





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2019年度定期総会・交流会 6月9日(日)開催

2019年度定期総会・交流会 6月9日(日) 開催
学び舎江戸東京ユネスコクラブ設立7周年を機に私たちが歩いて観察・調査した小平分水路網約50kmから「わがまちを再発見」することが出来た成果の一端をご披露します.。

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2月20日(水)~24日(日)、小平市中央公民館において「学び舎ユネスコ2019ギャラリ-展」を開催しました。このギャラリ-展は日頃の私たち学び舎ユネスコの活動をつぶさにご紹介し、一人でも多くの会員、市民の皆さまに知っていただくもので、平成27(2015)年1月に開催して以来の2度目のギャラリ-展。 
今回は日頃の活動内容の展示のみならず、展示会場の一隅を活用して、初心者の皆さまにも自由に体験出来る、太極拳、中国体操、水墨画、鳴り物・三味線、書道の体験教室を日替わりで開催。



今回は、これまで継続的に進めてきているユネスコの世界寺子屋運動30周年記念展示や、ユネスコ世界遺産パネルの展示を行った。会場内に設置されたポストには、「少しですが・・・」と書き損じハガキを持参される方がいました。世界寺子屋運動の必要さが周知されてきた感があります。 
また、昨年一年間がかりで、小平分水路網約50kmをくまなく歩き、9分水路の現状を調査した成果の一端を、写真や地図とともに掲示紹介・報告。5日間のギャラリ-展は、連日の好天にも恵まれたこともあり、延べ700人を超えるご来場をいただき盛況を得ました。 

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<画像をクリックすると拡大します>

 都市の中を流れる 「川」 の再生を目指した調査も研究を手がけて三十数になるが、その間、脳裏から離れなかったのは、東京都心を流れている「日本橋川の未来像」 のことであった。

 日本橋川は、今では、神田川と分派しているが、江戸の城下町形成期か舟運機能をはたすとともに町民の生活用、防火用、親水用など多面的に用され、江戸のまち特有の水にまつわる文化を育んできた。いわば江戸・京の発展を物語る象徴的水辺空間を都市部に刻印しているのである。

 江戸、そして東京の発展を支えた歴史的遺構を点在させている日本橋川中に高速道路を通すためコンクリートの大きな列柱群を打ちこんだのは今ら四十数年前のことである。

この情景を日本橋の上で眼前にした時は、自分の体に釘を打ちこまれたような衝撃を受けた。

 それ以来、都市空間と 「川」が共存し、川から恵みを受ける都市デザイン研究し、舟運で繁栄した時代の日本橋川の復活に貢献する研究・計両を果しようと決意した.十数年前のことだが、研究室に積まれた「広重」「北斎」などが.描いた浮世絵図集をひらいているうち日本橋川、隅田川、神田川 (三川と呼ぶ) の水辺を美しく措いた絵図が集中して多いことがわかった。絵図の中には、水辺でゆかたを着流して散歩する乙女たち、水辺をゆきかう舟上で夕涼みを楽しむ町民、水辺の桜の下で宴会して踊る人々の活き活きとした姿や、水辺風景が丹念に表現されていた。

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 江戸・東京の川を蘇らせるにはこれらの絵図に表現された水辺活用の知を伝承した水辺空間の創出をテーマにしようと考えた。絵図を描いた場所つきとめ、周辺の環境調査をしたところ、日本橋川沿いには、堀割の跡、着場の石積護岸、珍しい橋群、風景の残像など江戸、明治、大正期の面を残す造形や風景が存在していることがわかった。

 これら数百年前の歴史的遺構は博物空間となる、環境を整えれば、展示間(サテライト) になると、その場所に立つと絵図で描かれた空間や風物を追体験もできる。また江戸のまちの学習や研究材料の現場となり、野外験型博物館になると考えた。 4年前 (平成14年) になるが、この着想を基にして 『江戸・東京の川一体感型博物館構想』と題した研究成果を専門誌発表した。

この構想立案の前提としたのは、近い将来 日本橋川上部の高速道路は、代替案が出され解体される時代が来るものと考えた。構想の要点は川辺沿いの散歩路と小広場 (舟着場と一体化) の復活を図り、花見、夕

涼み、屋台店など江戸の風物詩を体感できる水辺空間を復活する。また当時活躍した小型舟を登場させ水運路を整え、舟上で絵図に描かれた楽しい行為が体感できるというものである。

 都心のヒートアイランド現象や砂漠化が進む時代にあって、日本橋川など都市の川は、かけがえのないオアシス空間である。江戸の人々が楽しん水辺空間こそ、東京の人々の、復活実現可能な 『夢』 である。

 絵図に表現された水辺空間を復活させようと知恵を結集し動き始めるとこの 『夢』 はエネルギーを発揮し、都市砂漠化が進む東京の大地を潤す川となって蘇るものと期待している。

 

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           両国納涼花火ノ図-   国立国会図書館蔵